在版フィルムのデジタルデータ化〈その２〉

今回は、こぐま社さんから出版されている絵本「こぐまちゃんシリーズ」の在版フィルムのデジタルデータ化ついて紹介します。
弊社は「こぐまちゃん」の誕生した1970年の初版から、シリーズを通して全15冊全ての印刷を行っています。
印刷には6色の版を用いて、スミ+5色のオリジナルインキを使っています。

こぐまちゃんシリーズは、リトグラフを応用した版画方式で作られている為、原画が存在しません。
その為、今回は在版フィルムを印刷用のデジタルデータに変換する方法を採用しました。

まずは各版のフィルムを、在版フィルムのデータ化に特化したスキャナーで、版ごとの高解像度画像を作成します。

このままの画像には、フィルムにある細かいキズ等も読み込まれる為、画像の隅々までモニターで確認をしながら丁寧に修正を行います。（Before）

こうして細かいキズや汚れを完全に除去しました。（After）

こうして作成したデジタルデータを使い、CTP出力用データを作成していきます。

在版フィルムをデジタルデータ化することで、ゴミの付着などのリスクが減り、品質の安定した印刷が行えます。
また、アナログ刷版用のPS版からCTP無処理版に移行したことで、インキの乗りが良くなり、更に安定した印刷を行えるようになりました。

在版フィルムのデジタルデータ化にご興味をお持ちいただいた出版関係者の方は、是非弊社までお問合せください。